水星の魔女12話

な なんか 新規層獲得に向けてぐっと広げた間口を自らの手で急激に狭めたな……!!!という印象でした 12話…………………………
「2期も頑張って追いかけるつもりだけどかなり心配になってきた」というのが個人的な全体の感想です

※23/01/12 好きだったところちょっと追記しました(実弾兵器周りの話)

(以下折り畳みに感想)
1人のオタクとしては「良かれと思ってやった事が悲劇を産む」お話は大好きだし、グエルくんをはじめとしたみんなの曇り顔に猛烈なリビドーを感じるぜ!!!!!!!!という邪悪なオタク感情もあるんですけど それにしたってCパートのゴア描写は悪趣味すぎるんでない……!?!?!?!??!?!?!!?!?と思ってしまいました 地上波の夕方に全年齢向けでやっていい範疇ではないだろ……あれは!!!!!!!

スレミオの今後についてはあんまり心配していないのですが、コンテンツとしては結局ロボットアニメ大好きオールドタイプ層しか残らないパターンに向かっちゃってないか……?それが作り手のやりたかった事なのか……?みたいな戸惑いがあります
(というか放送終わってからのインターネットがギアスやエヴァや過去のガンダムの話で盛り上がってるあたり、現時点でそうなっちゃってるよな~……と感じる)

放送が始まったばかりの時は普段ガンダム見ない層の人達がいっぱいいて、近年の映画や文学と絡めて語られる風景がすごく新鮮だな~と眺めていたのですが 今は結局”いつものガンダム談義”に収まっちゃってる感があって……いろいろ考えてしまう……もちろんインターネットの外ではまた違う風景があるとは思うのですが!

あと、これは11話から思っている事なんですけど テロリスト描写が古すぎるというか「アニメの中のテロリストってこうだよね」って手癖で描いてる感が強すぎて…… ここは明確にスゲ~嫌だな~!!!と感じます!!!
(というかフォルドの夜明けが全体的にアニメ的なデフォルメが強すぎるように感じるのですが、このへんは意図的にやっている部分なんだろうか……)

現代のアニメとしてテロ組織を描くにあたり「マイノリティ集団の中の過激派組織」に設定しちゃうあたりも、もう少し何とかならなかったのかな~と思ってしまいました
最近でも議事堂襲撃とかウトロ地区の放火のような事件が現実で起こっているんだから、「被害者意識を膨らませたマジョリティの過激派組織」で話を組み立てたほうがフレッシュだし世相を反映していたんじゃないだろうか……
あと「迫害されていた人達が暴力に手を染める」構図ってどうしても「言ってる事は正しいけどやり方がよくない!」って両論併記的な感情を呼び起こしがちなので、「マイノリティの声をちゃんと聞く事から始めよう」という動きがようやく出始めたばかりの現代社会には逆風になりそうだな……という感触があって 正直怖いですね……

4話のチュチュとミオリネの両論併記っぽいやりとりも嫌だな~と思ったし、このへんの匙加減はあまり期待しちゃいけないのかもな……と思いつつ 『期待しないほうがいい』って気持ちにさせられるのが一番悲しいよな~!!!という気持ちがある……
ただ徹底的に戦争をヒロイックに描こうとしない姿勢(スレッタの行為も当のミオリネによってちゃんと否定させるところ)は好きなところかも

デリングとプロスペラの描写の差とかにはどうしてもフーン……ってなってしまうし、いろいろ思うところはありつつも このへんはまだ2期を見ないと判断できない部分もあって……なんか……不安が大きすぎるけど追いかけるから頑張ってくれッ……!!!という気持ちです 1話1話のスピード感は信頼しているのでこの懸念ぜんぶ引っ繰り返して駆け抜けてくれないかな……

※追記※
ショッキングなシーンに押し出されて忘れかけてたけど、12話の「実弾兵器は(デブリを増やすので)条約違反」だという話題が出てくるくだりはすごく好きです!
あのワンシーンのやりとりだけで「この世界の条約はさぞかしスペーシアンによるスペーシアンに都合が良い”倫理的な”ルールが定められているのでしょうね……」っていうのが伝わってきて 世界観全体に広がる不均衡さを表現する手腕としてすごく鮮やかだな~……!!!と感じました

また、差別の果てに命のやり取りに発展してしまった先で(そうなるようにアーシアンを追い込んできたのは自分達なのに)自分達の決めたルールにおいての「正論」を述べてしまう所にスペーシアンの特権性とその無自覚さが今までで一番表れていたというか……
なんか……あそこの「特権性に無自覚に都合の良い正論だけ言ってしまえる(しかも悪意からそれをやっている訳ではない)感じ」、すげ~リアルで震えました

『倫理の元に決められた条約に則る事』や『特定の社会問題(12話中においては宇宙の環境問題)を注視する事』に積極的な人間でも、目の前の人権問題には無自覚なまま自分達にとって都合の良い「ルール」を弱者に押し付けてしまう……という流れ、思わず己の行動も振り返ってしまうようなパワーがあり……
こういう表現力や視点はほんとに好きなので……2期……がんばってほしい~~……!!!

あと個人的に12話で一番興奮したのはマルタンのドン引き演技です!!!! 榎木淳弥さん 最高の演技をありがとうございます……

水星9話

スレミオがうまくいってるのを見せつけられながらミオリネは水星ちゃんのこういう所が好きになったんだね……(俺にはこうはできない……)って勝手に激重感情こじらせていくシャディクゼネリが見たすぎるよ JVもそうだけど自分の感情で自家中毒起こしてる男って……かわいいんだよな……


ハァッハァッハァッ シャディクゼネリ、哀れな男!!!!(かわいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

思ってたよりずっと「大人のやり方に迎合しすぎた哀れな若者」としての描かれ方だったので おたくとしての自分は首の皮一枚で繋がったな……(高校生としての子供らしさを掘り下げられてたら立ち上がれなくなってた)という感じもあるんですが、あの「君の味方だよ」って保護者めいた眼差しと同時に傍観者の立場から善意で人の脚を引っ張ってくる人物像、スゲ~~~表現上手くてすごいな……なりました ああいう厄介さってなかなか描こうと思っても上手く描けなくない!?すごい……

物語の中で彼の哀れさと独りよがりさが際立つほど作画がセクシ~になっていくのもヘキを感じてよかったですね 男のほつれた髪の一本一本を描くときはそこに情念が篭っているんだよな……惨めで哀れな人間って超カワイイんだ 知ってる……

なんだかんだで視聴者としての自分は学園の生徒たちの事はみんな「こども」だと思っているし、シャディクは器用さを身に着けて生きるしかなかったバックボーンもあるわけなので もうちょっとそういう視点の描写も見たかったな~……という贅沢な気持ちも無いではないんですけど こういう「個人としての優しさが独りよがりな感情と紐づいている人間」の描写はかなり鮮烈だったので期待を裏切ってもらえて……嬉しい!の感情がめちゃくちゃデカいです(これをやりながら子供らしさを入れようとするとテーマがブレていただろうし……)

MS戦もエアリアルが(メカとして)すげ~エロティックに&恐怖の対象として描かれてて超よかった スレッタ自身もエアリアルも怖いんだけど戦いが終わるとよかったね~!となるこのバランス感、怖くて楽しい……ゾクゾクする……(あとラウダくんが一生面白い!!!!!!!!!!!)

水星8話

シャ シャディクゼネリ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(好きになるのが怖い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

水星の魔女 ミオミオもグエルくんもエランくんも意図的に第一印象からキャラの本質をズラしてきてるな~という感触だったのでシャディクも絶対ただの飄々としたチャラ男で終わるわけないよね……!?とは思っていたのですが想像以上に自分の急所に刺さりそうな雰囲気になってきて怖いです こういう事言い始めた時点でもう好きになってるよ それはそう。

もう次の日曜日になるまで好き勝手に妄想していいですか!?ていう感じなんすけど 今までずっと自分の居場所を作るために大人の世界や周囲の都合にうま~く迎合してニコニコやってきたシャディクゼネリが決闘の中で誰よりもこどもみたいなワガママを剥き出しにしたら……と思うと お おれは 怖いよ……絶対好きになっちゃうから……

でも隠していた感情の吐露はエランくんでもうやってるので二度同じ事はやらないかな……(いうかシャディクガールズがみんなパイロット科というの考えると決闘でもシャディクが乗るとは限らないよなという感じもする)

あとミオミオより年上なのに腐れ縁としての甘え方が弟みたいなのがさ~~~~~めちゃくちゃさ~~~~ かわいいですね なんかあれが彼のできる精一杯の甘え方なんだろうなという感じが……しますね……

シャディクのミオミオに対する巨大感情も今のところ恋愛というよりは「一番寂しかった子供時代にそばにいてくれた人への思慕」という感じなのかな~て気がしてますがこれは完全におれの好みが反映されているだけですね なぜならこれはすべておれの妄想だから……