星竜のらくがき

年内のうちにこれだけは描いて残しておきたかったトンチキファンアートです

自分の中のヴリトラに対する劣情、もう少ししっかり文章に残しておきたいんだけどスクショを取ろうと思ってゲームを起動してしまうと普通にプレイしてしまうため一生タイミングを逃している おれって……アホなのかも……!?

「Sorry We’re Closed」 EDふたつ見た時点の感想

ひとまず8時間ほどプレイしてED二つ回収&サブクエストの分岐もいくつか見ておりました 最高のクィアロマンスサバイバルホラーゲームです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

(ファンアートとしてもうちょっとヒネりのある絵にしたほうがよかったのでは!?という気持ちと未プレイの人にもゲームの雰囲気が伝わるストレートなファンアートにしたいだろ!!!という気持ちが両方ある……!!!!)

ミシェルと公爵夫人のエキセントリックなロマンス、メチャクチャ良かったネッ…… シャムエルのエピソードとかダンジョンの中の石板とかも含めて、「他者を愛するとは何か」を語り続けるお話としてめちゃくちゃ好きなやつでした。愛とは暴力でもあり、一度芽生えたら不可逆で破壊的な衝動であることを自覚しながらそれでもパワフルなラブロマンスをやる話、良いッ……。

あくまでもロマンスが主軸のストーリーではあるけど、友情が恋愛と同じように(比較されたりすることなく)大切なものとして描かれてるのも嬉しかったです。今回のルートだと夫人に惹かれ気味な選択肢ばっかり選んでしまったのでメチャクチャ塩対応するルートも見てみたいナ……♪♪♪

恋路に立ちはだかる壁がクソデカ目玉なのもLOVEすぎる。かわいいね~~~!!!!

ゲームプレイ部分は後半になると結構しっかり難しい部分が目立ってきて、この手のゲームに慣れてない人には予想以上に厳しい難易度だったかも……と思いました。多くの人にプレイしてほしいけどゲーム性で投げ出してしまう人もまた多いかもしれない……(でもこのビジュアルと雰囲気にビビッと来る人には強くオススメしたい……!!!)

あと英語圏のゲームレビューを見ているとSHやメガテン・ペルソナと並んで須田ゲーの影響が大きいと言われていて、な、なるほど~……!!!と思いました。 須田ゲー、興味はあるけどまだ一本もやった事がないんだよな……Killer7がずっと気になっています!!!

ミシェルの服装がゴリゴリにトランスフラッグカラーな事については、最初はミシェル自身のアイデンティティをプレイヤーに示しているのかな?と思ってたんだけど、今の自分の考えは(うまく語弊なしに言語化するのが難しいんだけど……)ちょっと違うかも。

というのも、プレイを進めるうちにこの作品が全体を通してキャラクター個人個人のアイデンティティやセクシャリティを必要以上に説明しない作りを徹底しているな~という事に気付いて……。

代名詞やファッション、キャラ同士のパートナーシップからある程度「いまの彼ら・彼女らの在り方」を推察する事はできるけど、それ以上の事は提示されない。それは(メジャーなタイトルでウンザリするほど見かけるような)クィアネスを透明化するための誤魔化しではなく、現実でシスやストレートの人が説明を必要としないように、クィアピープルだって自分が何者かを逐一定義したり説明する必要はないはずだという意思表示のための沈黙なんだと思った。

ゲームタイトルの”Closed”もクィアネスを隠す意味としての”Closet”にかけていたりするのかな……?とも思ったけど、このへんの細かいニュアンスは英語初心者にはちょっとわからない(永遠の初心者)。

公爵夫人のジェンダーについてもデザイナーの方のコメントがあって、プレイヤーがどう解釈することもできるようにデザインしている・夫人のジェンダーをどう認識するかはその人の在りようによる……という風に言われているんですが これって夫人だけでなく他の全てのキャラクターにも言える事でもあるな……と思ったんですよね。

(ついでに上記のコメントでミシェルにとって公爵夫人は女性、と言及されていることがわたしはメチャクチャ嬉しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヤッター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

そんなこんなを経て、今の自分はミシェルについて「シスかもしれないしトランスかもしれないしそのどちらでもない別のジェンダーかもしれない、何だとしてもミシェルは水色の髪でピンクのコートを着たレズビアンの女の子である事は変わらない」と思うようになりました。この考えも今後変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。

あとは先日も触れたけど、クィアが抱える苦悩は天使と悪魔の存在に仮託して描かれているぶん人間キャラクターには意識的にそれを持ち込まないようにしていると思うんですよね。

天使と悪魔の交わりが禁忌とされている中でも隠れて愛し合うカップルはいるし、教会の悪魔はかなりハッキリと性別違和/身体違和を持つ人が抱く苦しみを反映して描かれているな……と思ったので……。(個人的にめちゃくちゃ印象的だったキャラクターです。)

「クィアピープルは宇宙人じゃない、一人一人が普通に生きて当たり前に日常を過ごしてる人間なんだよ」と地に足の着いた生活を描き出しつつ、自分達の苦しみや悩みを無かった事にしないために天使と悪魔に想いを託して深々と突き刺さるストーリーテリングをやっていく誠実さ、めちゃくちゃ良かったです。好きだな……。

天使と悪魔が愛と実存を天秤にかけて戦っている間、人間は恋人とハムスターの事で頭がいっぱいになっているのだった。

大きなネタバレは避けつつ長々と感想を書いてしまったけど、まだまだ現時点で見ていない分岐もいっぱいあるので攻略情報見つつがんばります。周回プレイではアルマンド料理長に食材ぜんぶ渡してあげたいよ……!!!!

「Sorry We’re Closed」をやっている

PCゲーム、Sorry We're Closedのメインビジュアル。

(Steamストアページ :https://store.steampowered.com/app/1796580/

お、面白すぎる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ついクソデカ太字で叫んでしまうくらいガッチリ刺さってしまった マジでめちゃくちゃ面白いです!!!!!! ダントツで今年の私的GOTY候補になっちゃった……(言うてまだ進行度3日目の途中なんですけども!!!!!!!!!)

ゲームジャンルとしてはかなりしっかりめのサバイバルホラーなんですが、合間合間に挟まるキャラクター達の会話が絶妙にユルくてカワイイ所、ボス戦のアゲアゲなBGMと必殺技のヴィジュアル的なポップさが上手く絡み合って「ちゃんとホラーしてる所はホラーしてるけど、全体的にはとにかく奇妙で面白くて超キュート」って印象に仕上がってるゲームだな~と思いました。まさしくクィアという言葉がしっくりくる……。

まず主人公のミシェルがめちゃくちゃかわいい。悪魔に呪いをかけられてあらゆる意味でハートを狙われるわ、天使からは悪魔狩りに勧誘されるわでかなり大変な目に合ってると思うんだけど、どんな状況でも受け答えが絶妙に抜けてるのがゲーム全体の雰囲気を軽妙にする事に繋がってて良いんだよな……ちょっとした会話の端々から仲間想いな人物なんだな~というのが伝わってくるのもすてきです。

キャラクターデザインはこれでもかというくらいトランスフラッグの色合いベースになっているけど、これはミシェルはトランス女性だと読み取ってもいいのかな……?

ロンドン特別区の住人達も全員クセが強くてみんな魅力的なんだけど、相棒ポジションのロビンはやっぱ特に好きになってしまうな……。ミシェルとの友情の形がメチャクチャかわいいよ~~~! まだEDひとつも見てないけど選択肢によってはロビンとそのパートナーを敵に回す展開もあったりするんでしょうか…… 

(ただ、ロビンの三人称代名詞として使われているっぽいThey/Themは案の定「彼ら」に訳されてる所があってそこは残念だった。 翻訳作業において判断が難しい箇所なのは解るけど、ゲームの内容が内容なのでさすがに気づいてほしいが……!!!全体的な訳のテイストは良い感じなのでより残念…………)

日常パートだと人間同士のゲイカップルの仲を応援するのと並行して天使と悪魔の恋路を後押ししたりもできる。頑張って成就してほしい(させたい)。

このへんは現実的な生活の中でカップル達がぶつかる普遍的な問題やトラブルを人間キャラクターを通して愚かしくも愛嬌溢れる姿に描きつつ、社会制度や権力によって今まさに現実のクィアピープルが押し付けられている苦悩は天使と悪魔をメタファーとする事で直接的に苦しくなりすぎないように描こうとしているのかな~というのを感じた。

確かにフィクションの中でまで現実の社会制度に苦しめられたくないよ~!!と思う時もあるし、かといって全くそれを描かないのも……嘘じゃん……?と思う時もあるので、こういう形で両方を拾おうとしているのはスマートな手段だな~と思う。上級の天使が悪魔と交際してるのはお咎めなし(なぜなら中間管理職の天使は権力に弱いので何も言えないため)というあたりも程よい笑いと哀愁が漂ってて良いんだよな……

現状もっともお気に入りなキャラの悪魔の郵便屋さん(かわいすぎ)

 

ゲームデザイン的にはレトロなグラフィックや見下ろし固定カメラ、”裏世界”的なワールド&クリーチャーデザイン……と初期のサイレントヒルシリーズの影響がかなり明確に表れてるんですけど、”第三の目”を使う事によって裏世界と表世界をテンポよく(部分的に)切り替えられるのがビジュアル的にもバトルや謎解き的にもスパイスになってて楽しいです。「ここ第三の目で見たら何か変化あるのかな~」ってあっちこっち調べるのがかなり楽しい。インタラクトした時に出る文章も変わったりするし……

(そもそもインタラクトできる箇所がかなり多めのゲームなんですが、調べて出てくる文章が適度な長さで内容も面白いので調べるのが苦じゃないどころかもっと読みたくなる作りなのが地味にすごい。大手のゲームでもこのへん面倒になっちゃう作品って結構あるので稀有な魅力だと思う)

何より、本家SHシリーズのクリーチャーデザインを担当されていた伊藤氏が2023年に典型的トランスヘイト言説に扇動された発言をしていたのが一人のファンとしてかなりショックで(歌舞伎町オールジェンダートイレ騒動と前後していた時期の話……)あれからSH2の話題とかを見てもずっとモヤモヤした気持ちを抱いていたのですが、そんな中でSHからの影響を全面に出しながらバチバチにクィアネスを貫く素敵なサバイバルホラーが作られているという事が……めちゃくちゃ嬉しい!!!!元気出る!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

インターネットの場末に佇む一人のクィアにんげんとしても、一人のSHファンとしても行き場を失ってた心の一部が救われた気がする。おれにとってはこのゲームの存在が福音です。

ここまでメチャクチャベタ褒めしてきたけど、ゲームとしての難易度はホラー特有の操作感の悪さも相まってちょっぴり高めかも。少なくともバトルでは最低限のエイム力が求められるのでFPS全くやった事ない人には厳しい気もする……(超難しい、という訳ではないので普段からアクションゲーム触ってる人だとプレイしてるうちに慣れる範囲かな~と思います。チュートリアルも丁寧だし……)

あと住民との会話で選択肢を適当に選んでると後で選びなおせない要素だったりするのでちゃんと考えて選んだほうがいいです わたしは何度かロビンを怒らせてしまった……ワハハ……

まだどのエンディングにもたどり着いてない進行度ではあるのですが、現状あまりにも最高ゲームだったのでドチャクソ長文感想を書き連ねてしまったぜ。 でもこういう熱量ってガーッとある時に出力しておいてナンボだと思うし、マジで一人でも多くの人の目に触れてほしいゲームなので……気になったらぜひ……触れてみてほしい!!!!デモ版もあります!!!!!!!!!!!

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