スーパーマン(2025)見てた

映画「スーパーマン(2025)」見てました。め、めちゃくちゃ良かったな……!!!!!泣 世界中が差別やデマに満ちた現代社会の中では「優しくあろうとする事」こそが最もパンクだというメッセージ、本当によかったです。

映画としてはかなり駆け足だし、全体的には粗削りで大雑把な部分や「足りてない」と言われる部分もある作品だったかもしれない。でも、たとえそうだとしても「今この瞬間に世界のどこかで苦しんでる人達のために何かができないなら”エンタメ”やってる意味なんてないじゃん!!!」っていうジェームズ・ガンの真っすぐでがむしゃらな意志が作品の芯を貫いているのがあまりにも眩しくて、ボロボロに泣いちゃったな……!!!泣 クライマックスでスーパーマン自身の口から放たれる痛々しいほどの「自分は何者か」という言葉たちは、レックス・ルーサーに対するものであると同時にスクリーンを通して現実の人々に向けて投げかけられている言葉だったな~と感じた。今目の前にいる人が誰かにとっての”余所者”や”異物”だと考える前に、その人はまず同じ”人間”なんだという事を見ろ、という話……。

作品を貫くテーマは切実でシリアスだけど、ジェームズ・ガンらしいギャグシーンの応酬がそれをうまく和らげていてくれたのもよかったな~と思います。ジャスティスギャングのみんなたち、あまりにも可愛かったな……!?(クラークとロイスが真面目な話してる後ろで大暴れしてる3人と異次元生物の絵面、オモロすぎる)。

映画を見た後にガザ支援の寄付をしている人を見て、わたしも少額だけど寄付しました。寄付くらいしかやれる事がないのが歯がゆくもあるけど、一人一人のこういう行動がさざ波のように広まったらいいなって思って……。(■パレスチナ子供のキャンペーン:ガザ緊急支援募金 https://ccp-ngo.jp/lp/

で、真面目な感想はそれはそれとしてMr.テリフィックが萌え萌えすぎたし、事前情報として彼の吹き替えが諏訪部順一ですよ……と聞いていたので途中からもう「これ吹き替えでもう一回見るしかなくないですか!?!??!?!?!?!?!?!?」の顔になってしまって……あの……吹き替え版も見たいと思います……ハイッ…………すみませんオタクの邪念が抑えられなくて…………

話題のクリプトもめちゃくちゃかわいかったね…(サプライズニンジャ理論ならぬサプライズスーパードッグ理論に思いを馳せてしまった)(緊迫した場面を自らのパワーで粉砕するかわいくて強い犬、最高!!!!)

映画「イヌとイタリア人、お断り!」

アマプラやU-NEXTであと一週間で配信終了らしくて、駆け込みで見てました。めちゃくちゃ良かった……

人形の姿をした祖母と、生身の手だけで出演する孫(監督)の会話によって紡がれるイタリア系移民としての祖父母の物語。家の壁は段ボール、レンガは角砂糖、木々はブロッコリーといったミニチュアならでは見立てを通して描かれるかわいらしい世界の中で、戦争と差別に翻弄されながら強く生き続ける人々の姿を描く。

貧困、戦争と死、ファシズムに呑まれる故郷から離れなければならない悲しみ、移住先のフランスで受ける移民差別……といった重たいテーマをまっすぐに取り扱いながら、アニメーションのユルさと祖母の素朴な口調でその重苦しさを飲み込みやすくしているのが絶妙なバランスで、すごく良かったな~~~!!!!!

コミカルな動きやスキがあればすかさず挟まれるユーモア、ロマンチックなシーンを通じて登場人物たちに親しみが芽生えていくいっぽうで、悲惨な破壊とそれによって訪れる死が淡々と描かれる事で恐怖感や無力感がより強調されていて、アニメーションという手法の強みを感じる~~~ッ……と思いました。しんどい時にしんどい内容の映画を見るのって辛かったりするけど、手法によってそのあたりの”感情が引き摺られる感じ”がうまく弱められていて、でもテーマの重たさは薄まっていない……という匙加減が本当にうまい……。あと孫(監督)が手だけで祖父と交流したりする演出も映像の魔力を感じられてすごく好きです。

タイトルの強さについ一瞬たじろいでしまうけど、今の日本でもまさに同じような言葉が各地で掲げられている事を思うと自分達はたじろいでいる場合ではないし、このタイトルが付けられた意味を真摯に受け止めて再生産させないように行動しなければならないんだよな……という事も思う。

世界中で日に日に戦前まで歴史が逆行しているのではないかと思わされるニュースが続く今、できればいろんな人に見てほしい作品だな~と思いました。たぶん見放題配信の枠が19日いっぱいまでというだけで、数百円程度の配信自体はその後も続くんじゃないかな……?YouTubeだと300円でレンタルできるみたいです!

監督インタビューの記事もすごくよかった。戦争の悲惨さと愚かさを次世代に伝えていくこと、本当に何度繰り返してもやりすぎるという事はないんだよな……。(しかしインタビュアーの日本のアニメに関する質問は恥ずかしすぎて穴に入りたくなる!!!必要ありましたか?その質問……)

グリーン・ナイト

見ました 楽しみにしてたので映画館で見られてうれし~~~!!

久々に こ……こういう作品に出会うために映画を見てるんだよな~~~~~~~~!!!!!って快感を頭からつま先まで全身に浴びられてめちゃくちゃ良かったです……すごい変な映画だった……(好き)

騎士道物語ベースではあるけど全くヒロイックではなくて、良くも悪くも優柔不断なガウェインがグダグダしてるのをひたすら見てるだけ……!!!っていう感じのカタルシス薄めな作品ではあるんですけど 淡々とした中に静かな感情のうねりや寓話性を読み取りながら、最終的にはスッキリした爽快感が胸に残る感じの作品で……なんか……こういう映画からしか得られない栄養素ってあるよな~と思った。(語彙……)

ストーリー面におけるマスキュリニティの描き方とか、クィアっぽい仄めかしとかも好きだな~と思ったし(というか作品全体を通じてガウェインの映し方がずっとエッチですごかった) 映像もずっと綺麗かつ不穏な構図がいっぱい見られて目のごちそうでした。開始10秒でもう不穏な雰囲気に引き込まれるのにそれが130分続く……ありがたい……

そのわりに突然シュールコントみたいな笑えるやりとりが合間合間に発生したりして、全体に漂う不思議なバランス感含めてヘンテコかつチャーミングな映画だったな~て思います。でも劇伴はもうちょっとポイント絞ってかけてほしかったかも(たまにBGMかかりすぎてゲームみたいだな……って感じるとこあった)

映像美で言うと、序盤の盗賊に縛られたシーンで”カメラが時間を支配してる”というのを直感的に見せてくれるところがマジで映像の魔術……!!!!!て感じで今後ずっと忘れないシーンになるだろうなと思いました。あそこ本当にマジカルですてき…… あと終盤における緑の帯ってへその緒のメタファーなのかな?という事とか……館の女主人の性欲と写真を撮る工程を連動させてくるとこもかなり好き!!!(おれは水面下の性欲を画面の湿度で表してくる映像が大好き!!!!!!!!!)

間違っても万人受けするような作品ではないけど、個人的には一人の人間の成長譚&大人向けのおとぎ話としてメチャメチャ好き!!!な作品でした あと意外と大きめのスクリーンで上映されてるのが驚きだけど嬉しい!!!!!これはA24くんのパワーでしょうか……いつもお世話になっております!!!